前回の記事ではオールドレンズはどんな写真に使えるかについて紹介しました。まだお読みになっていない方は下記のリンクからアクセスしてください。

【参考記事:オールドレンズ超入門ーレンズの特徴・どんな写真に使えますか?

今回はジャンル別でオールドレンズの使い方について紹介します。

昼間、室内、夜間…光の状況について

オールドレンズには様々な種類や年代のものがありますが、基本的には、現代レンズに比べれば極端な状況に弱いです。つまり、野外の晴天に順光であれば、普通に撮れます。一方、曇りの日、室内、夜、逆光に対してかなり弱いです。

例えばf1.8やf1.4の明るいレンズであっても、開放で使えばコントラストが落ちたり、ピントが甘くなったりします。ただ、その甘さがオールドレンズらしい描写になることが多いので、それも一つの魅力的な部分です。

逆光に関しては、コーティング等が現代よりあまり優れていなかった時代もあり、場合によりコーティングのないレンズもあるので、ゴーストやフレアが出やすいです。これは前回の記事にも述べましたが、敢えてフレアを入れると変わった作品が作れます。

上記の情報を参考に各ジャンルの写真でオールドレンズの使い方を見ましょう。

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ジャンル別の使い方

ポートレート(◎)

多くのカメラマンがポートレート写真にオールドレンズを使っています。オールドレンズの描写はあまりくっきりしていないので、モデルの肌の余計な部分を捉えないので自然に美肌効果を出します。

さらに、オールドレンズにはカビやクモリのあるものがたくさんあります。分解清掃で直せるものもありますが、バルサム切れやサビで分解できないレンズもあります。そのようなレンズは一般的に使いませんが、ポートレート写真で使えます。よりソフト効果がでるので、面白い写真が撮れます。ただ、極端にクモっているレンズの場合は、目や髪の毛のディテールが完全に潰れますので、気を付けましょう。

花やテーブルフォト、小さな被写体(◎)

オールドレンズが一番使われているのはお花の撮影かもしれません。SNS等に多く見られます。お花だとオールドレンズだけではなく、どんなレンズの性能が一番分かりやすい被写体です。色合い、コントラスト、線の太さ、すべてのスペックが引き立てます。

お花の写真は基本的に昼間に撮ることが多いので、開放にしなくても撮影できます。逆に、明るいレンズだと、PLフィルターやNDフィルターが必要になる場合もあります。

お花の大きさからすると、テーブルフォトもおすすめだと思います。ただ、室内だと光の調整が必要になるので、多少の知識が必要になります。昼間の撮影でしたら、外から入ってくる光や市内の照明をうまく使えばオールドレンズらしい写真が撮れます。

風景(〇)

オールドレンズは原則として、止まっている被写体であれば普通に使えます。さらにカメラを三脚に設置すれば、絞ればキレイに写る可能性が高いです。風景写真に気を付けていただきたいのは太陽の位置です。上述のように、逆光に弱いオールドレンズだとフレアやゴーストが出しやすくなります。一方、敢えてそれを入れて上手く構図と組み合わせれば、映画風な写真が撮れます。

夜景(〇)

カメラを三脚に設置し、絞れば、キレイに撮れるのは昼間の風景写真と同じです。一方、開放にすれば、光の強いものがフワッとなったり、玉ボケになったり、面白い作品が作れます。

オールドレンズには星など変わった形のした絞り羽ものがあり、それを夜景に活かすこともできます。

ストリートフォト・昼間(〇)

ストリートフォトにピッタリなのはオールドレンズです。古い町並み、路地裏、錆びた看板をオールドレンズで撮影すると、さらにその雰囲気が引きだてます。

こちらのジャンルに二重丸を付けたかったのですが、ここに一つ問題があります。ストリートフォトの多くの場合は通りかかる人や走る自動車等を構図の一部にしていれることがあります。基本的にオートフォーカスの使えないオールドレンズだと、決定的な瞬間を逃す場合があります。

最近のほとんどのデジタル一眼レフにライブビュー機能(画面やファインダーに実際に撮影されるものが写ります)が搭載されているので、ライブビューをたよりに素早くフォーカスを当てるように練習すれば、こちらの問題はクリアされます。

ストリートフォト・夜間(△)

上記のストリートフォトと夜景を組み合わせた感じになりますが、両方の難点がさらに難しくなります。基本的には三脚を使わないストリートフォトだと、絞って撮るのが難しいでしょう。人や車も動いているので、遅いシャッタースピードも使えません。ISO感度で調整するのもありですが、最新のカメラではなければ、実用範囲外になることになります。

こう見えるとデメリットばかりですが、敢えて動いている人や車をボヤかしたら、光源の強いところにフワッととした玉ボケを狙ったり、カメラ任せにできない作品が作れます。ぜひ挑戦しましょう!

星空(△)

三脚を使って、適切な絞りとシャッタースピードを設定すれば、星空、お月さまの写真が撮れます。ただ、注意していただきたいのは、普通に撮影できるため、オールドレンズらしい描写を得るのは難しいでしょう。現代レンズとほとんど変わらない結果になります。

お月の撮影で、望遠レンズを持っていない方は、300mm等のレンズが安く手に入れるため、オールドレンズで撮影するのがおすすめです。

スポーツ、動いているペットや動物等(×)

前回の記事にも書きましたが、基本的には、オールドレンズで撮れない写真はありません。ただ、オートフォーカスの効かないレンズですので、激しく動いている被写体を捉えるのが難しいです。慣れの話ですが、オートフォーカスに慣れている方はかなり苦労します。入門者にはおすすめできません。

マクロ(〇)

マクロレンズは古くても高いです。一方、オールドレンズ用の接写リングは非常に安く手に入れることができます。M42マウント用は現在も作られているため、新品でも安いです。さらに、各マウント(FD、MD等)の中古品はジャンクコーナーで投げ売りしているところが多いです。マクロレンズがなくても、接写リングを使ってマクロ撮影に挑戦しましょう。

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シャッタスピード優先?終わりに…

オールドレンズを利用する際、カメラのシャッタスピード優先モードを使うことができませんが、もちろん、マニュアルモードは普通に使えます。

動きがある程度読める被写体でしたら、シャッタースピードを調整して撮影できます。例えば、運動会で走る子どもを撮影するとすれば、早いシャッタースピードが必要になります。ただ、オートフォーカスが使えないため、素早くピントを合わせる自信のない場合はなるべく絞って撮影しましょう。走る場所が決まっているので、その範囲にピントをあらかじめ合わせておけば、普通に撮影できます。確かに明るいレンズの使用または晴天でなければ難しいですが、不可能ではありません。

本記事はオールドレンズ初心者にお届けしていますが、オールドレンズを使おうとしている方なら、ある程度カメラの知識は持っているはずでしょう。マニュアルモードを使いこなしている方なら、そこまで苦労しません。

シャッタースピード優先モードが使えないより、オートフォーカスが使えない問題の方がクリアしにくいだと思います。一方、マニュアルフォーカスに慣れれば、逆にオートフォーカスが使えなくなることもあります。自分で完全にカメラをコントロールし、自由自在に撮影できます。お持ちのカメラをフールに使いたいのでしたら、マニュアルモードしかないだと言われます。どうせマニュアルモードを使うのなら、ぜひ、オールドレンズで使ってみてください。

最後に、オールドレンズだからこそ、完璧な写真を求める必要はありません。多少荒くてもいいです。つまり、モノクロで誤魔化したり、あえてISO感度を上げて荒っぽいノイズの多い写真を撮ったり、加工ソフトでコントラストを普通以上にあげたり、色々遊ぶことができます。たしかに、加工すれば、各オールドレンズの特徴が失われることもありますが、あまり難しいことを考えないで、楽しんで撮影すればそれはなによりだと思います。

皆さん、オールドレンズの世界へ遊びに来ませんか?

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