フィルムメーカーだからこそレンズにこだわりがあり、素晴らしい描写を持つ製品を続々と発売する富士フィルム。今回はその富士フィルムのオールドレンズをご紹介します。

なお、以前は同じくフィルムメーカであるKodak社のデジタルカメラをご紹介しました。Kodak社の初期デジタルカメラについて、下記のリンクからご参照ください。

【参考記事:Kodak DC260・20年前の変わったデジカメ

Fujinon Z 43-75mm f3.5-4.5

以前の記事でご紹介したKodakのDC260デジタルカメラはEktanarのレンズを採用しており、フィルムメーカーのこだわりを持ったレンズだと述べました。今回は国内のフィルムメーカー富士フィルムのレンズをご紹介します。

富士フィルムのカメラ・レンズには現在もファンが多く、ファンはそれらのレンズの描写に魅力を感じています。特にEBC Fujinonは有名で、単焦点のオールドレンズは他メーカーのレンズより高く販売されています。

今回のレンズはEBCではないフジノン、つまり、EBCのコーティングを採用していないレンズになります。優れたコーティングは持っていませんが、描写は負けないくらい美しいです。

本ズームレンズは1977年に発売され、カメラとのセットレンズとして販売されていました。絞りの数値がカラフルで、可愛いデザインを持っています。ピントリングの数値は白と緑で、富士フィルムらしい色のデザインになっています。

ズームレンズであっても、非常にコンパクトサイズ、292gでまあまあ軽い方です。ただ、当時の他メーカーのズームレンズは28mmからスタートのものが多く、本レンズは43mmでちょっと負けている感じがします。

フルサイズ機だと問題はありませんが、マイクロフォーサーズ機の場合、35mm換算で86mm相当になり、望遠レンズになります。

写りに関しては、下記のテストで確認できますが、非常に美しいです。

本レンズの唯一の欠点をあげるなら、最短撮影距離が120cmで被写体に近寄ることができません。マクロ機能がなく、風景やポートレートに使いやすいレンズですが、小さな被写体には向いていません。

せっかくの美しい描写をもっているため、可能であれば接写リングを用意し、お花等の写真にも使っていただきたい一本です。

フジノンのM42マウント?STマウント?

一部のフジノンM42マウントレンズにはカメラと絞りの連動爪はあります。多くのオールドレンズファンは、M42のマウントアダプターをそのまま使えるため、その爪を切り落としますが、本ブログ管理人は爪を残したまま撮影しました。実はこれM42マウントではなく、富士フィルム独自の「STマウント」と位置づけされていますが、爪以外の部分はM42マウントとほとんど変わりません。

STマウントアダプターは存在しないため(少なくとも、管理人が調べた結果)、M42のマウントアダプターを使うしかありません。

M42のマウントアダプターの種類によりますが、若干の遊びがあり、爪を残したまま無限遠にフォーカスを合わせることができます。ただ、爪を残すと、ピントリングが固くなり、回そうとするとレンズ本体が緩みます(スクリューマウントのため)。

レンズ本体のみを購入する際、その爪がすでに削り落されているか確認しましょう。管理人が持っている別のフジノンレンズは購入した時点で既に削り落とされていました。

フィルムカメラに使いたい場合は爪を残したほうがいいのですが、完全にデジタルカメラ(マウントアダプターを介してカメラに装着する場合)で使いたい時は爪を削り落としても大丈夫です。ただ、これはレンズの改造になりますので、ご注意ください。

なお、STマウント(爪ありM42マウント)後、富士フィルムはAXマウントという新しいマウントを開発し、これらのレンズをデジタルカメラに使う時、AX用マウントアダプターが必要になります。

【広告】

撮影テスト

今回のカメラを室内に、外に向けて撮影をしてみました。最短撮影距離が長いため、小さい被写体が使えず、窓やカーテンを被写体にしました。カメラを三脚に設置し、絞り優先モード(Av)で撮影をしました。カメラはCanon 5D Mark IIで、フルサイズで撮影をしました。

開放(f3.5)

焦点距離:43mm
シャッタースピード:
1/200
ISO感度:100
露出補整:+-0

開放でも、カーテンや窓のロック部分がシャープに写っています。背景のボケが自然でクセのない写りになっています。

絞りf8

焦点距離:43mm
シャッタースピード:
1/60
ISO感度:100
露出補整:+-0

絞ると、さらにシャープになります。色合いやコントラストにあまり変化はありません。背景のボケはそのまま美しく写っています。

最小絞り(f16)

焦点距離:43mm
シャッタースピード:
1/40
ISO感度:100
露出補整:+-0

最小絞りにすると開放やf8より若干甘い描写になりましたが、気になるほど目立ってはいません。絞ったため、空の色も見えてきて、色合いのいい感じが見えます。

開放ズーム(f4.5)

焦点距離:75mm
シャッタースピード:
1/30
ISO感度:100
露出補整:+-0

ズームを掛けると、43mmとあまり変わらに描写になっています。どちらの焦点距離でもシャープで美しい描写になっています。

【広告】

レンズスペック

メーカー: Fuji Photo Film Co.
マウント: M42 (富士フィルムカメラ用・爪有り)
名称:Fujinon Z 43-75mm f3.5-4.5
焦点距離: 43-75mm
開放F値: f3.5-4.5
最小絞り:f22
最短撮影距離: 120cm
ズーム: 有り
絞りリング: 有り
ピント合わせ: MF
フォーマット: 35mmフィルムカメラ用
フィルター径: 49mm

管理人所有のレンズ

クリーニング:
状況: クリアー
シリアルナンバー: 4763**

【広告】