前回の記事ではレンズ用カラーフィルターに関する基礎的な情報をお伝えしました。今回は深掘り情報をお伝えします。前回の記事は下記のリンクからアクセスできます。合わせてご参照ください。

【参考記事:カラーフィルターの使い方①

モノクロ撮影とカラーフィルターの関係

フィルムでのモノクロ撮影の時、フィルムの種類、レンズやカメラの設定により、ある程度写真の仕上りをコントロールすることができます。さらに、現像段階で、現像液に何分漬けるかにより、コントラストを増したり、減らしたりすることができます。

現在のデジタル写真からすると、コントラストや色合いを調整するのが非常に簡単で、カメラのボタンを数回押すだけですぐできます。さらに、パソコンにファイルを転送すれば、もっと細かい調整ができます。

しかし、フィルム時代はそんな簡単にできる作業ではありませんでした。露出補整等はできていたものの、細かい調整は非常に難しかったです。毎回の写真にフィルムを取り換えるのは大変でした。さらに、フィルム現像の段階でその調整を行うのは、フィルムのすべてのコマに反映し、一コマを分けて現像するのはあり得ないくらいの大変さでした。

そこで、一枚一枚の写真に細かく調整するには、カラーフィルターを用いることが一般でした。一つの色だけを強調したり、写真全体のコントラストをあげたり、フィルター一枚で可能です。

モノクロ写真で主に使われるカラーフィルターは黄色、オレンジと赤の三色です。

カラー撮影とカラーフィルター

上記に述べた暖色系カラーフィルター以外に寒色系フィルターも存在します。寒色系フィルターはモノクロ撮影にも使用できますが、どちらかいうと、カラー撮影の方によく使われることがあります。特に緑系は葉っぱの色を抑え、花の色を活かすことができます。

ただ、前回の記事に述べたように、カラー撮影では、カラーフィルターより、PLフィルターを使うのが一般的です。

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今回のカラーフィルター

カラーフィルターは基本的にローマ字と数字で種類が分かります。例えば、黄色は「Y」、赤は「R」で、その文字に続く数字はその濃さを表します。

前回の記事ではトイカメラに使われるアクリル製のフィルターを使用しましたが、今回はレンズ用の本格的フィルターを用意しました。全てのフィルターがガラス製でKenko社が出しているものです。中に古いものと最近のものがあり、6枚のフィルターとも、中古カメラ屋さんで1枚108円でゲットしました。直径52mmで、同じく52mmフィルターを使用するSigma Zoom AF-ε 28-70mm f3.5-4.5をソニーα200で撮影しました。

まずは各フィルターについてご紹介します。

Kenko PO1

色:緑色
特性:晴天時の屋外人物を、モノクロ撮影で赤い色を暗く落ち着かせ、同系色の緑を明るく表現し、また適度なコントラストをつくり出します。

Kenko PO0

色:黄緑
特性:晴天時のモノクロ撮影では、赤い色をやや暗く落ち着かせ、緑を明るく表現し、また適度なコントラストをつくり出します。

Kenko FL-W

色:
特性:デイライトフィルムで蛍光灯を光源とする写真は全体的に緑色になります。こちらのフィルターは本来の色に戻すことができます。デジタル撮影の場合は全体的に紫色がかかり、ミステリアスな雰囲気を出すことができます。

Kenko W10

色:薄いオレンジ色
特性:白熱電球タイプのカラーリバーサルフィルムを太陽光下で使うとき、そのままだと真っ青に写ってしまいます。温調用のフィルターで補正することにより、 正常なカラーバランスで撮影できます。通常のカラー撮影だと、朝焼け・夕焼けの強調用としても活用できます。

Kenko Y2

色:黄色
特性:黄色フィルターはモノクロ撮影で最も使われていたフィルターでしょう。昔の蛇腹カメラに標準で付いていたものもあります。黄色フィルターは青空を含む風景や建物、人物、スナップなどの撮影に肉眼の感じ方に近いコントラストを付けることができます。

Kenko YA3

色:オレンジ色(濃い目)
特性:黄色より強く、赤より弱い効果を出しますが、基本的には黄色フィルターと同じ効果です。オレンジフィルターは強いコントラストをつくり、山岳、海洋、建築物などの撮影に迫力ある表現が得られます。望遠レンズでの遠景描写には必需のフィルターだと言われます。

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作例

下記には、フィルターの本来の使用を無視し、それぞれのフィルターでカラーとモノクロの作例を作りました。ホワイトバランスを晴天に固定しました。すべての画像はカメラJpeg書き出しになります。

フィルター無し

まずは比較のため、フィルター無しの撮影をしました。日が完全に沈んでから数分後だったため、若干暗めの写真になります。

Kenko PO1

カラー撮影の場合、全体的に緑色になり、他の色がほとんどなくなっています。元々緑色である木の葉っぱは明るく写っています。カラー撮影だと面白い効果が出せます。

モノクロ撮影の場合、空と遠くの街のコントラストバランスができ、街のディテールがより見やすくなっています。カラー写真と同様、元々緑色である木が明るく写っています。

Kenko PO0

黄緑フィルターの場合、緑フィルターより全体的に色が保っています。セピアではありませんが、どこか昔の写真のような仕上りになりました。空の色が優しい感じになりました。

モノクロ撮影の場合、全体的にコントラストが増し、ディテールが浮かび上がってきました。海の向こうの山のシルエットが見えるようになり、さらに風景が広がったかのような感じがします。

Kenko FL-W

紫は神秘的な色だと言われます。紫のフィルターをカラー撮影に使えると、全体的にミステリアスな雰囲気になります。夕焼けが目立ち、海が微かにピンクに見え、面白い画像になりました。

モノクロ撮影では、コントラストは若干あがり、全体的に暗くなっています。どちらかいうと、カラー写真で使った方が効果的です。

Kenko W10

薄オレンジだと、セピアフィルター効果になります。夕焼けも見えてきて、どこか温かい、温もりのある写真になります。

モノクロでは、少しだけコントラストが上げ、優しい仕上りになりました。

Kenko Y2

黄色フィルターもセピア効果に近い仕上りを出します。建物や街の色が残っていて、懐かしい感じがします。

モノクロ撮影の場合、全体的に最もバランスのいいコントラストだと言えるでしょう。街のディテールが美しく写っています。

Kenko YA3

今回は赤色のフィルターを用意することができませんでしたが、濃い目のオレンジ色で撮影してみました。赤系のモノクロ写真になり、他の色が消えています。一般的には夕焼けに使えるフィルターですが、他の撮影だと若干怖い写真になります。目的により、面白い撮影ができます。

白黒写真の場合、全体的にバランスの整った写真になりました。今回は暗かったため、フィルターの効果を100%発揮することができなかったのですが、晴天で使うとより効果が分かりやすくなります。