今回は初のマニュアルフォーカスのズームレンズをご紹介します。銘玉だといえませんが、かなり有名なレンズ、Canon Zoom FD 35-70mm f3.5-4.5をご紹介します。

FDとNew FDマウントについて

CanonのEFマウント以前のものにRマウント、FLマウント、FDマウント等があります。それぞれのマウントの形状は同じもので、物理的には互換性があります。ただ、時代の流れに登場したオート絞り等の技術により、古いレンズを新しいカメラに装着すると、それぞれの新しい技術を使えなくなります。

レンズのマウントが変わるたびにその名前は変わってきました。そして、レンズの銘板にはそのマウント名が表記されています。一方、FDマウントとNew FDマウントに関しては、銘板ではそのまま「FD」の表記が使い続けました。

New FDマウントのレンズをカメラに装着する際、レンズそのものを回すため、バヨネットマウントに似ていますが、レンズはそのまま固定していて、外側の「殻」しか回っていません。詳しい説明は割愛しますが、レンズを買う際に、装着できるカメラがあれば、FDかNew FDをすぐ判別できます。

カメラがなければ、外観で判断するしかありません。上記に述べたように、銘板では、FDとNew FD両方とも、FDの表記になっています。一方、FDマウントのマウント側にはレンズを固定するリングがあり(シルバー色)、New FDにはそれがなく、代わりにレンズを取り外す時のロックボタンがあります。

New FDマウントのレンズは比較的に新しく、プラスチックの部分が多く、軽い製品が多いです。今回ご紹介するレンズもたったの200gで、非常に軽いです。

Canon Zoom FD 35-70mm f3.5-4.5

本レンズはCanonのT50やT70のキットレンズとして発売していたため、中古市場に数多く出回っています。T50やT70のカメラは非常に軽く、その関係かもしれませんが、本レンズも軽くなるように設計されたでしょう。

キットレンズであるため、最高のクオリティーを持っているとは言い切れません。しかし、撒き餌レンズのような立場を担った本レンズは、その分、技術者の気持ちを込めている一本だと思われます。

描写が安定していて、コーティングが紫色の美しい色を持っています。

焦点距離は35mmから70mmで、幅広い場面で使えるでしょう。風景からポートレート、工夫次第どんな撮影でも使えます。最短撮影距離50cmで十分ですが、さらにマクロ機能も付いています。こちらは非常にありがたいです。35mmでの開放がf3.5で、明るいレンズではありませんが、現代のキットレンズと同じスペックで普通に使えます。

正直、軽量化を重視にしたせいか、軽すぎて、安っぽい感じがします。焦点距離やフォーカスの数字がカラフルで、かわいいレンズですが、おもっちゃっぽいです。中古市場に数多く出回っていることもあり、数百円で入手可能なレンズです。安いレンズですので、迷わずゲットしましょう。

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撮影テスト

今回の撮影は室内で行いました。メインの被写体は最短撮影距離に置き(50cm)、そこからピントを合わせました。マクロ撮影の時はマクロ領域からピントを合わせました。使ったカメラはOlympusのEPL-3で、マイクロフォーサーズ機のため、35mm換算で70mm~140mm相当で撮影をしました。カメラは三脚に設置し、順光で、窓から入った光と部屋の照明のみでした。

絞り優先(A)モードを使い、ISOは800に固定しましたが、開放とf8で露出補整0、最初絞りでの撮影は露出補整+0.7に設定しました。マクロ撮影では露出補整を行っていません。

開放(f3.5)

焦点距離:35mm(35mm換算で70mm)
シャッタースピード:
1/50
ISO感度:800
露出補整:+-0

開放での結果はCanonのFDレンズ時代らしい写りになりました。コントラストや色合いが若干強めな描写になりました。本レンズの開放がf3.5で、明るいレンズと違い、ボケが自然で激しい色収差は見られません。ピントの合っている手前のピンクの花が若干甘いのですが、実用範囲内だと言えるでしょう。

絞りf8

焦点距離:35mm(35mm換算で70mm)
シャッタースピード:
1/10
ISO感度:800
露出補整:+-0

f8まで絞ると、現代レンズと似たような写りになりました。甘かった部分がシャープになり、より美しい描写になりました。

最小絞り(f22)

焦点距離:35mm(35mm換算で70mm)
シャッタースピード:
0.62秒
ISO感度:800
露出補整:+0.7

手前の花はf8より甘いピントになりましたが、クマ君などを含め、全体的に見るとバランスのいい写りになっています。色合いやコントラストは落ちましたが、風景写真なら普通に使えるかと思います。

ズームでの開放(f4.5)

焦点距離:70mm(35mm換算で140mm)
シャッタースピード:
1/30
ISO感度:800
露出補整:+-0

ズームにすると、35mmより甘い写りになっています。一方、ボケの量が増し、全体的にやさしい写りになります。現代レンズよりソフトフォーカスですが、実用範囲内でしょう。

マクロ撮影(35mm)

焦点距離:35mm(35mm換算で70mm)
シャッタースピード:
1/40
ISO感度:800
露出補整:+-0

マクロでの撮影は通常の最短撮影距離より若干甘いのですが、かなり近寄れるため、使いたいレンズです。多少の色収差も見られますが、これはオールドレンズらしい写りだと考えると、楽しい撮影ができます。

マクロ撮影(70mm)

焦点距離:35mm(35mm換算で70mm)
シャッタースピード:
1/20
ISO感度:800
露出補整:+-0

ズームを掛け、マクロ領域で撮影すると、色収差は増えましたがかなり近寄ることができました。さらに、マイクロフォーサーズ機だと140mm相当なレンズになるため、小さな被写体でもフレーム一杯に写すことができます。室内写真に関わらず、明るい写真になりました。

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レンズスペック

メーカー: Canon
マウント: FD (New FD)
名称:Canon Zoom Lens FD 35-70mm f3.5-4.5
焦点距離: 35-70mm
開放F値: f3.5-4.5
最小絞り:f22
最短撮影距離: 50cm(マクロ領域有)
ズーム: 有り
絞りリング: 有り
ピント合わせ: MF
フォーマット: 35mmフィルムカメラ用
フィルター径: 55mm

管理人所有のレンズ

クリーニング:
状況: クリアー(後玉一部カビあり)
シリアルナンバー: 13187**