先日は久しぶりのレンズレビューで引き伸ばしレンズの紹介をしましたが、今回は久しぶりにオールドレンズ(一眼レフカメラ用)のレビューになります。

ミノルタの進化

ミノルタの単焦点50mm系レンズに様々な種類があります。1960年代から80年代にかけて、いくつかの改良が行われました。以前レビューしたMC Rokkor-PF 55mm f1.7がかなり古く、その時代に作られていた他メーカーの単焦点と同じく、多くの部分が金属で作られていて、重たかったです。

その後、各メーカーの競争もあり、コストダウンとともにユーザーが求められていたレンズのコンパクトさと軽さを視野に入れて改良が行われました。Minoltaの50mm系の最終の形(MDマウントーマニュアルフォーカス)が今回ご紹介するMinolta MD 50mm f1.7になります。こちらのレンズは小さく、さらにプラスチックの部分が多いため、非常に軽い単焦点レンズです。同じ50mm系にはf.14やf2.0もありますが、今回はその中間にあるf1.7を見ましょう。

【参考記事:MC Rokkor-PF 55mm f1.7

かなり変わりました

以前ご紹介したMC Rokkor-PF 55mm f1.7に比べると、こちらのMinolta MD 50mm f1.7は大きく変わっています。まずは光学系の構成がカラーフィルムの普及や技術の進化により、描写が以前と変わりました。

正直、描写に関して、現代レンズとあまり変わらないくらいくっきりしていて、オールドレンズらしい感じがしません。開放での描写は甘いが、多少絞れば現代レンズと同じ写りを得ます。

最短撮影距離が45cmまでに短くなり、かなり寄って撮影できます。マクロ機能はありませんが、小さい被写体のディテールを捉えます。

外観に関しては、多くのオールドレンズに感じる「鉄の塊」を持った感じがありません。非常に軽く、ポケットに入れても邪魔しないくらいです。

レンズの機能自体に影響はありませんが、レンズ名から「Rokkor」の文字が消えたのがちょっと悲しいだと思います。レンズ名が短く、ちょっと物足りない気がします。

カメラファンには、光学系や外観などにより、〇〇レンズ初期型、I型と後期型やII型などと名付けることがあります。こちらのレンズもそのような正式な名前ではないが、New MDと呼ばれる方が多くいます。

CanonのFDレンズとNew FDレンズは実質的にマウントの改良により違いがありますが、こちらのNew MDとその世代前のMDマウントはほぼ同じ構造になっていますので、マウントアダプター等に関して、MD系を普通に使えます(少なくとも、管理人が持っているK&F Concept社のマウントアダプターは両方のMDマウントに使えます)。

New MDレンズはそれほど数が多くありません。中古カメラ屋さんやネットオークションでは以前のMinolta 50mm系の方が多く出回っています。

こちらのNew MDは珍しいですが、ジャンクコーナーで見かけることがあります。ここで注意していただきたいのは、New MDのレンズの分解清掃は難しく、あまりおすすめできません。光学系の構造上、数枚のガラスが貼られているため、バラサム切れのものが多く、それを直すのが困難です。

管理人が持っているレンズもバルサム切れで分解清掃はうまくいかなかったので、そのまま使っています。中心部分は比較的にキレイですので、マイクロフォーサーズ機での使用は問題ありません。レンズの状況等をしっかり確認してから購入しましょう。

MDとNew MDマウントの見分け方

2018年4月16日追加:本記事を投稿してまもなく、ツイッターのフォロワー様からNew MDマウントの見分け方などについて教えていただきましたので、記事に追加します。S様、貴重な情報をありがとうございます。

上記に述べた様に、MDマウントとNew MDマウントはオールドレンズとして使うには同じ扱いになります。マウントアダプターに接続する部分は変わっていないため、装着できます。一方、こちらのレンズをミノルタのフィルムカメラに装着する際、違いがあります。

1977年にミノルタXDが発売され、シャッター優先AE機能が導入されました。その新しい機能により、New MDレンズの最小絞りロック機構が設けられました。さらに、開放F値伝達ピンも設けられています。上の画像のように、左側がNew MD、右側は以前のMDマウントのレンズで、マウント部分で確認できます。

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撮影テスト

今回は昼間の撮影で照明器具は使っていません。かなり曇っていたので、部屋の中が若干暗く、カメラの露出補整を調整しながら撮影しました。

カメラはOlympusのEPL-3で、絞り優先(A)モードで撮影しました。ISOは固定でホワイトバランスはオートに設定しました。三脚も使いました。

開放(f1.7)

シャッタースピード:1/125
ISO感度:400
露出補整:+0.7

Minoltaらしく、コントラストと色合いがかなり強く、開放でもビビッドに近い仕上りになりました。ボケは多少甘く、このあまり絞らなければ、オールドレンズらしい描写になります。

絞りf5.6

シャッタースピード:1/20
ISO感度:400
露出補整:+0.7

絞りをf5.6にすれば、オールドレンズらしい感じが一気に消えます。現代レンズとあまり変わらない描写になるでしょう。被写体に近寄れますので、ディテールを残したまま撮影ができます。シャープな描写で、オールドレンズでポートレート撮影に慣れている方は要注意かもしれません。

最小絞り(f22)

シャッタースピード:1秒
ISO感度:400
露出補整:+1.3

本レンズの改良として、f22までの最小絞りができるようになったことがあげられます。最小絞りにしてもコントラストや色合いがまだ美しく、実用範囲内でしょう。風景撮影にぜひ使いたいレンズです。

New MDに進化しても、Minoltaらしい写りは変わっていません。コンパクトな上、軽くなったことから考えると、かなりプラスになっています。状態のいいレンズはあまり出回っていないので、その様な出会いがあれば、ぜひ確保したい一本です。

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レンズスペック

メーカー: Minolta
マウント: MD
名称:Minolta MD 50mm f1.7
焦点距離: 50mm
開放F値: f1.7
最小絞り:f22
最短撮影距離: 45cm
ズーム: 無し
絞りリング: 有り
ピント合わせ: MF
フォーマット: 35mmフィルムカメラ用
フィルター径: 49mm

管理人所有のレンズ

クリーニング:
状況:カビあり
シリアルナンバー: 80514**